チームメンバー

Joseph Ehrenpreis

ジョセフ・エーレンプライス(1995年生まれ)は、世界で4人しかいない8弦ブラームスギターのプロ奏者の1人です。複数の学位を取得しており、イェール大学でベンジャミン・ヴェルデリーにコンサートレパートリーを、カリフォルニア芸術大学でミロスラフ・タディッチに即興演奏を学びました。この楽器でオリジナル曲を創作することで、国際的な評価を得ています。2024年だけでも、藤家溪子、藤倉大、ミロスラフ・タディッチ、コール・レイエス、アルセニー・グセフ、ジュリアン・フエヨなどの現役作曲家と緊密に協力し、ブラームスギターのための10曲以上の作品を初演しました。

2024年の夏季シーズンは、広島から山形県大石田町まで、日本8都市を巡るツアーを開始しました。ブラームスギターで17回のソロリサイタルを行いました。京都では、井上明彦プロデュースの歴史あるタロハウスで藤家溪子とコラボレーションし、彼女の作品「Hi」と「En」を初演しました。また、京都市立芸術大学(KCUA)では、岡田加津子教授とコラボレーションし、彼女の作品「Sakura Bune」を演奏し、バシェ音響彫刻で即興演奏を行いました。大石田町では、地元の自然と町の精神からインスピレーションを得て、作曲とソロリサイタルでのオリジナル曲の演奏を行いました。

2024年、ジョセフは受賞歴のあるプロデューサー、エディ・リムとリムのEtymology Classicsレーベルを通じてレコーディングしたアルバム「saman」をリリースしました。このアルバムは、アイスランドのピアニスト、オラフル・アルナルズの音楽をジョセフが親密にギターアレンジしたもので構成されています。

プロデューサーとして、ジョセフはレン・ギョウ・ソウとディレクターの川村咲とともに、2023年に彼女の演劇「ICEBERG」をプロデュースしました。これはニューヨーク市の移民とメンタルヘルスをテーマにした舞踏劇です。

ジョセフの音楽以外の興味は、クリエイティブライティング、ファッションデザイン、ヨガなどです。彼は赤ちゃんの頃に大血管転位症の手術を生き延び、健康的な芸術的ライフスタイルを提唱しています。

ジョセフは、MASS MoCAのBang on a Canと山形県の大石田エアのアーティスト・イン・レジデンスに招待されています。

彼は音楽を通じて平和と共感を広めたいと考えています。

Instagram.com/brahmsguitar 

藤家溪子

京都出身。作曲家。東京芸術大学音楽学部作曲科卒、同大学院修了。
1986年「クラリネット協奏曲」が日本音楽コンクール作曲部門第1 位。
89~92年にかけて、TVのCM音楽を50本ほど手掛ける。92年、ロックフェラー財団の助成によるAsian Cultural Councilのプログラムでニューヨーク
に半年在住。92~2001年にかけて京都発信の「900円コンサートシリーズ」で、数々の曲を初演。95年、NHK交響楽団が年間最優秀の日本人作曲のオーケストラ作品に贈る尾高賞を、同賞43年の
歴史で、女性として初めて受賞し話題となる(受賞作品は「思いだす、ひとびとのしぐさを」)。96年、チリの女性詩人ガブリエラ・ミストラルの生涯を描いたモノローグオペラ「蝋の女」が評価され 中島健蔵音楽賞受賞。97年、京都大学創立百周年を記念した「輝を垂れて千春を映さんとす」を作曲。京都で開催された地球温暖化防止制作会議にちなんで、京都府から委嘱された、ギターとコントラバスのための二重協奏曲「京都・山河の響き」も同年、ゲリー・カー、山下和仁、京都市交響
楽団(井上道義指揮)により初演される。
98年、ダンスとのコラボレーション“In Their Shoes”をニューヨークで発表。同年より オーケストラ・アンサンブル金沢の第9代コンポーザー・イン・レジデンスを務める。99年、国立劇場に委嘱され、現代の雅楽「天のような地、そして地のような天」を発表。
2000年「 ギター協奏曲第2 番 "恋すてふ" 」が二度めの尾高賞受賞。
02年、日本音楽コンクール70周年を記念してピアノ協奏曲「一月の思い出」が委嘱され、田部京子、東京交響楽団(大友直人指揮)により初演。06年、武蔵野市国際オルガンコンクール委嘱作「オルガン協奏曲 "フラ・アンジェリ
コの墓にて"」 を、東京交響楽団定期演奏会にて前年のコンクール覇者フレデリック・シャンピオンのオルガン、ユベール・スダーン指揮で初演。
04年から14年まで、夫・山下和仁と4人の子どもたちと共に結成した「山下和仁ファミリー・クインテット」のために作曲を続け、コルドバ国際ギターフェスティバルをはじめ、
欧米やアジア各国の音楽祭などで公演。11年から14年まで、ながさき音楽祭の事業として同県・対馬に20回前後通い、当地の自然、歴史、文化などに関する調査に基づき、毎年新曲を書き、地元の人々とともにコンサー
トをプロデュースしてきた。12年、ティンパニ奏者・梅津千恵子の委嘱により、故・高橋竹山へのオマージュ - ティンパニ・ソロ、声、打楽器のための「ナム」を作曲、ミラノで初演。
中川佳代子 "絲と声~うたうこと、語ること~"(筝・三味線リサイタル)にて、「きよきなぎさに」を京都で初演。振付家/ダンサーの Abel Coelhoと、「Aspects of Hamlet (十一面ハムレット)」を、京都市芸術センター "KAC TRIAL PROGRAM" にて試演。
17年、バルセロナ、およびバルセロナ郊外の各地にて、振付家/ダンサーの Orland Verdúと、No-Butoh+Music のコラボレーション「Quasimodo」(ユーゴーの「Notre Dame de
Paris」をベースにした作品)を公演。女優としても初舞台を踏む。国際現代音楽祭アジアの管絃の現在2017にて、ヴァイオリン、古筝、十三絃、十七絃のための「Ophelia Adrift」を初演。
18年、Orland Verdúとの共同プロデュースで、舞踏、ビデオ、音楽、演劇のマルチメディア作品「NAGASAKI-Wilderness Mute」をバルセロナで初演。同年秋、同作品をアメリカ合
衆国三箇所で公演。20年、ポーランドにて自らの書き下ろしストーリーに作曲したオペラ「A Vermilion Calm」
を初演。 23年には「A Vermilion Calm」をベルリンで再演 


舞台制作現場における演出家をトップとするヒエラルキー、演出する/演じる/演奏するということにおけるプロフェッショナリズム、「観せる者」と「観る者」の関係性に疑問を持ち、舞台製作の新しい戦略を模索する。スペイン、アメリカで女優としても舞台に立ち、国内外で舞踏ダンサーとのコラボを重ね、脱ヒエラルキー、脱プロフェッショナリズムの瞬間を体験。舞台作品を演劇、ダンス、音楽というジャンルで定義せず、三者が渾然と立ち上る
舞台を目指す。

https://www.keiko-fujiie.com/

2019年末以来、⻄アフリカ・ブルキナファソに拠点を移し、現地の伝統⾳楽継承者たちと
のコラボレーションで新しいオペラ「Là-bas ou ici...」を制作中
EXPO 2025 大阪・関西万博で同オペラを公演することが内定している

 http://www.labasouici.net 

井上明彦

美術家。1995〜2021年京都芸大美術学部教員(造形計画)。1990年代半ばよりサイト・スペシフィックな造形表現を軸に、絵画、立体、インスタレーションから写真、デザインにわたる領域横断的な活動を続ける。地域社会と関わるアートプロジェクトもしばしば行う。2006〜7年文化庁芸術家在外研修でパリ滞在。2022年度意匠学会作品賞受賞。近年の主な展覧会に「2と5、偶々」(2023、個展、ギャラリーマロニエ、京都)、「二つの傾斜地で」(2022、個展、+1 art、大阪)、「新シク開イタ地」(2016、神戸アートビレッジセンター)、「still moving」(2015、元崇仁小学校他)、「反重力」(2013、豊田市美術館)等